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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter57 『雨音』 57-1
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「そうなんだ。
今日、学校で出会った闇のほとんどは。
今朝もらった、闇化しやすいサンプルの。 データの中に、入っていなかったんだ。」
(夏樹は、二階の階段の上に腰かけながら。 通信機を片手に、考え込んでいた。)
(話しながら。 すぐ右壁にある、大きな丸い窓の向こうへ、
紺色の瞳を向け。 薄曇りの、夜空の。 丘の上から見える街の景色を眺めた。)
「思ったより、早まっているんじゃないかな?」
「前の街では、そんなことなかったけど・・。」
「この街は、何だか様子が違う。 今まで通りには、
行かない気がするよ。」
(夏樹の見ている視線の先で、遠く住宅街の奥、繁華街の向こうで、
淡い黄色の光の柱が、煌めいたのが見えた。)
「数が多いなら、僕も行こうか?」
***
「ダメよ。
夏樹くん。」
「学生は、夜間の活動はできないのよ?」
(まだ風見ヶ丘高校の職員室内。 FOT分室に残っている静乃が、
モニター越しに微笑んだ。)
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