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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter6 『執事の本音』 6-1


ピルルルッ

「おや、千波ちゃんだ。」

(電話の音に、聖が反応した。)

「どうして分かる?」

(晃が驚いた。)

「当然だろう。 愛する人からのコールだ。」

「・・。」

(晃はソファーから立ち、ドアへ向かった。)

「先に行く。」

(あっと言う間に背を向け、部屋を後にする。)

バタンッ

***

『真剣な話をしていても、すぐにふざける。』

『あいつが何を考えているか、分からない。』

(細長い洋館の廊下を歩きながら、晃はいつもの事にため息をついた。)

(進む廊下の先は、下へ続く階段への踊り場。)

(赤い絨毯の廊下から、木製の階段も、
同じく赤い絨毯で覆われていた。)

(アンティークのランプが、いくつも天井から下がり。



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