HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter6 『執事の本音』 6-3


「分かった。」

(笑顔で受話器を戻した。)

(聖は、室内を見渡した。)

(明るく。 真っ白な聖のスーツに朝日が反射した。)

チチチッ

(小鳥の声と、緑の森を横切る風が、窓に届く。)

サアアアァッ

『“闇”に向き合って、ここに戻ると。 ほっとする。』

(銀色の前髪が、涼しい風に揺れた。)

『夏っちゃんが、同じ空間にいると。 こうも違うものか。』

(聖は、朝の空気を吸い込み。 風に乗り。 自分へ届く夏樹の気配を感じ、微笑んだ。)

(古びた木製の家具たちが、温かく。 カーテンを揺らす風に、目を細めた。)

「さて。」

カタンッ

(聖はデスクの前に立ち、アンティーク机の小さな引き出しを開けた。)

(そこが仕舞い場所の、金色の拳銃を手に取る。)

カタッ



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ