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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter62 『似ている』 62-17
頭上に広がる、黒い天井を。 長い睫毛の黄色い瞳で見上げた。)
サラサラッ
(しなやかな肩や、不思議な切り込みの入った赤紫の服の上に、激しく鼓動する
豊かな胸の上に。 長い黒髪は乱れ。 まるで纏わりつく蜘蛛の糸の様に。
美しく、透明な床の上にまで流れた。)
「クロエ・・。」
(フェルゼンは、玉座から、僅かにクロエを気遣う視線を投げた。)
(だが、そのことは、クロエを喜ばせはしなかった。 何でもなかったかの様に、
クロエは、壁から身体を起こし。 微笑んだ。)
「ふふふっ。」
(長い服のスリットから見える。
美しい左足の付け根から。 不思議な黒く丸い、幾何学模様のマークが見える。)
(幾何学模様は、ぼんやりと光っていた。)
「平気よ。 少し削っただけ。」
(クロエは、そう言いながら。 空間の狭間の向こうから、先程見た。 金色の瞳を
思い返していた。)
「あの人・・、少しフェルゼンに似ているわね。」
(クロエは小さく呟き。 苛立つフェルゼンの深紅の瞳を横目で見つめた。)
(フェルゼンの赤い瞳は、苛立ちながらも、美しく煌めいていた。)
「チッ・・。 この身体は・・、まだ使えない
もっと・・軽くするか・・?」
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