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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter63 『ねんど工作』 63-6


(両手に力を込め、数馬は空中から何かを取り出す様な動作をした。)

(蒲公英が瞬きする一瞬のうちに、
スニーカーの足元の。 地面から、小さな土のかたまりがいくつか浮かび上がり。
次の瞬間には、二人の前の中庭の土が、巨大な塊となり掘り起こされた。)

ボコボコッ・・

ゴォォォォーッ

「!///」

(蒲公英は驚き、視界の先に自分たちと、闇を遮り。
校舎の3階にまで届きそうな程、山の様に固まりながら、うごめく土の滝を見た。)

「ねんど工作〜、でっきあがりー。」

(数馬は言いながら、右手を巨大に固まった大きな土のクマに向け差し出した。)

「か、数馬くんっ!

あれ、な〜に?///」

(蒲公英は目を丸くして、巨大なクマを見上げた。)

「こ・・っ、こわいっ///」

(巨大なクマは、屋上にまで届きそうな位置に。 巨大な頭があり。
小さければ可愛らしいであろうテディーベアの顔をしていたが。)

(大きな瞳で、こちらを覗き込むクマの顔が、二人の上に影を落とし。
蒲公英にとっては闇と同じくらい恐ろしく見えた。)

「・・・っ///」

(蒲公英は、数馬の後ろで震えあがった。)



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