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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter64 『小さな敵』 64-1


「行けーくまさんっ!」

(数馬は右手を上げ、巨大ロボに指令を出す操縦士さながら、
意気揚々と。 前方の黒くそびえ立つ闇に狙いを定め、指さした。)

「きゃっ・・!」

(蒲公英は息を飲んだ。)

【ゴォォォォッー!】

(流動し、ドロドロと溶け出す溶岩の様な巨体は、数馬の創り出したクマと
ほぼ互角の大きさだった。)

ゴボッ・・

ガバァッ・・!

(闇は巨大な口を開け、土のクマに噛みつこうとした。)

(クマは大きく丸みを帯びた茶色の右手で、瞬時に、パンチを浴びせ。
闇は、黒い飛沫と共に、後方に勢い良く吹き飛んだ。)

ヒュオッ

ゴオーンッ

『・・!』

「おおーっ!」

「なっかなか、強いじゃ〜んっ。」

(宙を舞う闇の軌道を視線で追いながら、数馬は興奮して飛び跳ねた。)

ガッシャーンッ!



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