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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter69 『崩せないもの』 69-13
(中庭を離れ、日が落ちた校内を、善は歩いていた。)
(生徒が少なくなった小学校校舎で、気配を研ぎ澄ませてみたが。
探し人は側におらず。)
(頼りにすべき情報源も、まったく善の言う事を聞いてはくれない様だった。)
「チッ・・。
どこへ行きやがった・・?」
「まぁ、いいさ・・。
・・奴らが・・ガラス玉に気を取られているうちは・・。
奴らが・・探すべき本体に・・
気づいていない証拠だ・・なぁ?」
「せいぜい苦労して・・集めればいいだろうが・・。」
(善は思い返し、苛立ち、首筋に触れた。)
「くっくっ・・。
ったく・・、どうして操れない・・?」
「小娘の・・心ごときに・・。 魔力を防がれるとは・・?」
「くだらねぇ・・なぁ。」
(実体と引き換えに失った力を思い、善は、虚ろな瞳で、暮れゆく空を見上げた。)
***
(紫苑は筆先に、深い紺色の絵具を乗せ、深みを増すキャンバスに、色彩を重ねた。)
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