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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter7 『いつもの朝』 7-3


ザアッ

(普通なら、朝風呂で気持ち良い。 と言うところだが、少々こらえる表情で、
湯船に入った。)

「はぁ・・。 逆に、調子悪くなりそうだ。」

(ぷくぷくと揺れる水面に、首からかけた細い鎖が浮かぶ。 銀の指輪は、
少し沈みながら、波紋に揺れた。)

(蒸気の水滴に、深い紺色の髪が濡れ。 ぽたぽたと滴が落ちる。)

(濡れた前髪の間から、紺色の瞳が瞬きした。)

「もうだめだ。」

ザバッ

(夏樹は湯船を出ると、濡れた前髪を掻き上げた。)

(タオルで体を拭き。 千波が用意してくれてあった、服に着替える。)

(白いシャツに袖を通すと、頭にタオルを乗せ。
自分の腕に触れてみた。)

「ふぅ。 温まってない。」

***

コンコンコンッ

(バスルームのドアを、菖蒲がノックした。)

「夏樹様? 大丈夫ですか?」



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