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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter74 『満天』 74-1
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「先日は、なんとか捕まらずに済みましたが・・。」
「こちらの方が、何だか緊張致します。」
キイッ
(月明かりの照らし出す、校内は、ほとんど電気が消え。
人影は無い様だった。 校舎前に植わる樹木が、大きな影を落とし。
恐る恐る門から入った菖蒲の姿を、見る人は誰もいなかった。)
トッ・・
(夜の校舎は、所々に灯る、丸い外灯がいくつかの渡り廊下を照らし。
通い慣れた者でも、違った景色に映る。)
「・・高校の旧校舎はどちらでしょうか?」
「広い学校ですね。」
(中へ入ったものの。 小学校、中学校、高校、大学が併設されている
風見ヶ丘の上の校舎は、とても広く。 黒皮靴の足元は、すぐに立ち止まってしまった。)
ピルルルッ ピルルルッ
「はっ。」
(ちょうどその時、胸元の通信機が鳴り。 菖蒲は白手袋の手で、
ポケットから取り出した。)
『・・! 静乃さん。』
ピッ
「こんばんは、菖蒲です。」
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