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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter77 『残像』 77-18
『僕の、戦っているところを。』
(込み上げる熱い思いが、夏樹の胸の奥深くで鼓動し。
心音と共に脈打ち。 氷の様に冷たい肌の下を、焦がす様に流れた。)
「・・戦っている夏樹くんが好き・・。」
「応援しているからね・・。」
(紫苑はやっとのことで絞り出し。
言いたかった言葉を伝えた。)
『・・・っ。』
(あふれ出す紫苑の想いに、堪えられずに、
夏樹は紫苑の側に寄り。 そっと、紫苑を支え、小さく震える背中に触れた。)
『聖の結界も。 越えられる事を、
僕に教えに来たのか?』
『・・わかったよ。』
「僕が戻って来るのを、待っていたんだ。」
『よくわかった。』
「でもな、そう簡単に。 思い通りにはさせないよ。」
(悔しい想いを噛み締め、見上げる視線の先で。 紫苑の願いが込められた絵画は、
二人を見つめている様だった。 まだ静かに涙している紫苑を、
白い両腕で支えながら、美術館の向こう。 遠くどこかに居る影を探す。)
「応援してくれている人がいる。 それなのに、僕が先に負けるわけに行かないから。」
『僕は戻って来た。』
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