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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter『太陽と月(太陽)』 79-6


(ふわりとシーツが、背中を包み。 側にある、すり硝子の窓から
沈み行く夕日が、ソラを照らした。)

「・・・。」

『どうしてだろう・・?』

『生まれた時から、ずっとこの、ちっぽけな街で暮らして来たのに。』

『時々、感じるんだ・・。 違和感・・。』

『俺はここに居ていいんだろうか?』

(見上げた水色の瞳に映るのは、
ただ、古びた天井があるだけで。)

(この街で、自分に出来ることなど、この先も
有りはしないと。 言われている気がした。)

「ああ・・っ、何やってるんだ? 俺は・・。」

(その思いは、時折、宵闇と共に、ソラの胸に訪れ。
ソラを揺り動かした。)

「んなもんっ、考えてもわかんね〜よっ。」

(苛立ち、水色の髪を両手で掻き上げ、ベッドの上で目を閉じた。)

「俺に、出来ることなんて何もないさ。」

「なんか、びっくりするくれ〜、面白いこと。 起これよ・・。」

(出来ることはないと、口にしながら、何かしたい気持ちが、
訳もなく胸の奥に湧き上がる。)

(ソラは、つぶやき、眠りに落ちた。)



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