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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter8 『遅刻予定のアポイント』 8-4


(艶が、真っ直ぐな黒髪を揺らした。)

「わかっておる。 どうせ、面倒になったのであろう。」

「お偉方と会うのが面倒で、今日の早朝会議もさぼったであろうが。」

「結界を創るからと言って、午後は遊ぶ気じゃ。」

(艶の大きな黒い瞳に追及され、聖が笑った。)

「あっはっは。 僕が戻ったのは、千波ちゃんの朝ご飯が食べたかったからだよ。」

「徹夜明けで、大臣の顔なんて見たくないからな。」

(聖は千波に視線を送った。)

「美味しかったでしょv」

「ああ。」

***

キイッ カタタッ

(皆、それぞれ席を立った。)

(微笑む聖を見て、夏樹がつぶやいた。)

「ふぅ。 どんな人も、千波ちゃんのご飯に勝てないらしい。」

「そうですね、夏樹様。」

(菖蒲が夏樹のそばにやって来た。)

「裏手に公用車を用意してあります。 出られますか?」



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