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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter80 『太陽と月(月)』 80-14
パリンッ・・
(黒い皮靴が、踏み締める地面には、不思議に七色に光る。 薄氷の様な、
剥がれ落ちた。 空間の天井が、砕け。 破壊された地面は、瓦礫で覆われていた。)
(何よりも、ガードレールの向こうに。 せり上がる、天高く突き出た
折れまがる線路が。 地面と隆起し。 その下には。)
(窓ガラスと車体が粉々に砕けた、電車の車両が。 何かを狙う様に、
ひと塊に、地面に突き刺さっていた。)
『・・・!』
(菖蒲は言葉が出ず。 それらの瓦礫の前で、小さく。 腰を下ろしている夏樹を、
視界に捉え。 走り出した。)
「夏樹様・・っ!」
ダッ・・
「ご無事で・・?」
「うん。 女の子は無事だった。 紫苑さんは心配してなかった?」
(夏樹は、目の前に駆け寄った菖蒲を見て、微笑んだ。)
「あ、はい。 あの、いえ。 そうじゃなくて、夏樹様は・・?」
「ああ〜、それがそうでもないよ。」
「えっ・・!」
「これ。 替えある?」
(夏樹は気まずそうに、下ろして間もない。 風見ヶ丘高校の夏服のシャツを指さした。)
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