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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter80 『太陽と月(月)』 80-25


つま先立ち、ソラに振り返った。)

「エアリエルに似てますっv」

「ほらっv あそこが“砂界”と呼ばれる、砂漠の海v あそこが、ドラゴンの巣がある

青の森v それに宮殿っ!v」

(ピュアは言いながら、嬉しそうに次々と、小高く見晴らしの良い風見ヶ丘から
見える景色を、ガードレールから乗りださんばかりに大きく手を伸ばし。 指さした。)

「くっくっ、うそつけ。 どこに砂漠が、ドラゴンの森が、

宮殿があるんだよ?」

(ピュアをからかうも、ソラにはワクワクする気持ちが込み上げた。)

「宮殿ならv ソラさまが今向かっているじゃありませんかっ?」

「《がっこう》ですよv」

「ちょうどこんな風に、見渡せる場所にあります!」

(ピュアの言葉に、ソラは想像した。)

(目を閉じてみる。 潮風が、水色に染まる髪を揺らし、高く照りつける太陽が、
閉じた瞳の奥にも。 眩しさを運ぶ。)

「そこに、俺を待ってる人がいたりするのか?」

(目を閉じたまま。 ソラは、つぶやいた。)

『ワクワクすることを待ってた。 でもきっとこれは、想像と違う。』

『俺に出来ることは、この街だけじゃねー、こいつの国と。 その先の未来まで助ける。』



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