HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter82 『《おみそしる》』 82-1
「いただきま〜す♪」
「いただきます。」
(ソラとミイの二人は、いつもの様に向かい合って、小さな居間で。
テーブルに着いた。)
(少し古びて、年季の入った台所の窓から、ご近所に夕食の良い香りが漂い。)
(お椀から上る白い湯気が、食欲を誘い。 炊きたてのご飯もいっそう艶やかに見えた。)
「んん〜っ/// 良い香りですっ///」
「ソラさま、これはなんですか?v」
(ピュアは興味深げに、自分の前に置かれた、汁椀を見つめ。 初めて香る味噌の香りに、
ワクワクしていた。)
「あ〜、みそ汁だよ。 似たようなの、お前の国にはないのか?」
「ないですっ。」
(何の珍しいこともない、いつもと同じ食卓だったが。
ただ一つ、変わったのは。 ミイの隣に、この一風変わった少女が。
座っていることだった。)
「ソラ、お味噌汁ないんだって、どうする?」
「大好きなのに。 残念だね〜。」
(ミイは、美味しそうなコロッケをつまみ。 その向こうから、わざと残念そうに
顔をつくって、ソラの方に向けた。)
「何で?
お前が作ってくれればいいじゃん。」
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