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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter82 『《おみそしる》』 82-2


(ミイはにっこりと、可愛らしく満面の笑みを浮かべた。)

「告白? う〜ん。

ちょっと、迷うなっ。 ソラ、かいしょうないもん。」

(聞いて、コロッケを食べようとしていたソラの手が止まり。 頬張ろうと開けた口が
閉じた。)

「・・・、お前・・。」

「甲斐性なしとか、言うなよ。」

「話の流れ的に、俺が王に向いてないとか。 魔法が使えなくて、能がないとか。

言うのはわかるけど。」

(ソラは、水色の瞳をしかめて、真顔でミイを見た。)

「俺は、合間をぬって、バイトして。 家計を助けてたんだぞ・・!」

「・・、って。 たぶん、設定で・・。 だと思うけど。」

「おい、ピュア。

俺達が、地上でここに居るのが、魔法で創られた設定なら。」

「もう少し、こう。 豪邸で、とか。 でっかい洋館で。とか。」

「なかったのかな〜?って、俺は思うぜ。」

(創られた幻と知りながらも。 住んでどれくらい経つのか。 不思議と、
馴染み始めている。 古びた小さな日本家屋の、風合いの増す、木目の天井を見上げて。
愚痴をこぼしてみたが。 その瞳は笑っていた。)

「ん〜? ですね〜っv 魔法は、意識が具現化しますからv」



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