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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter89 『Friend』 89-48


「だからね、嬉しいの! 夏樹は、ここにいるって、決めたのよ。

少しは、自分のことも、好きにならなくちゃね。

わたしはこんなに夏樹のことが好きなのに・・。」

「こんなに・・、こんなにっ、大好きなのに・・!///」

「・・っ///」

(千波はふいに、両手を口元にやり。 息を飲んだ。)

「明日を、楽しみに待つ。 そんな生き方を、選んでほしくて。

聖は夏樹を送り出したのよ。

わたしは、そう思ってる。」

サクッ サクッ サクッ・・

『夏樹・・。』

(微笑む千波の耳に、砂の上を歩く足音が聞こえる。
夏樹が素足で砂浜を上がり。 白いリムジンの停まる、千波の目の前に歩いて来た。)

「千波ちゃん。 大丈夫? もう少し、みんなと居ても良い?」

「!/// あたり前じゃないっv もっと遊びなさい♪」

「くすくすっ。」

(深い紺色の瞳が、千波を間近に見つめた。 微笑みながら、冷やりとする冷たい
白い手が、千波の手を開かせ。 もう片方の白い手が、そっと。 何かを
千波の手のひらにのせた。)

「なぁに?」



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