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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter9 『行くぞ』 9-15
「着きました。」
(商店街近くの通りの横に、止まった。)
「行くぞ。」
カチャッ
(夏樹は、腕時計を素早く、手首に掛けた。)
ガチャッ・・
「あっ・・!」
(菖蒲が止める間もなかった。)
(リムジンのドアに真っ白な手をかけ、大きなドアがゆっくりと開く。
ドアの向こうから、一息に
窓の外にあった、人々の喧騒と、明るい光が、夏樹へ押し寄せる。)
サアアーッ
(足元に、潮風を掴みながら、眩いほど明るい光の街の中に、
夏樹は強く一歩踏み出した。)
パタンッ
(夏樹が開けたドアが、勢いよく閉まる。)
ガチャッ
(菖蒲も運転席から降り立ち、すでに歩き出した主人の背中を見つめた。)
「くすっ。 執事がドアを開ける前に、行ってしまわれた・・。」
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