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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter9 『行くぞ』 9-14


[「私的に、お気に入りは、商店街の中にある、いちご味のクレープが美味しい

カフェよ。」]

[「クラスの子がお勧めだって、教えてくれたの。」]

「菖蒲、甘いもの好きだからな。」

(夏樹は、面白そうに、菖蒲の顔を間近に覗き込んだ。)

「近いです・・。 夏樹様・・、走行中は、座席にお座り下さい。」

「静乃さんも、その辺で・・。 仕事中ですからっ、何のオペレートしてるんですか?」

(菖蒲は、片手で夏樹を押しやり、モニターの静乃に怒った。)

[「決まってるじゃない。」]

(静乃は、モニターの向こうで、微笑み、自信をつけるように背中を伸ばした。)

***

「進む道は、一つ。」

(ピンクのネイルが可愛らしい指を、モニターに真っ直ぐに向ける。)

***

(深い紺色の瞳が煌めいた。)

「“闇”に負けない。 光の射す、明るい道へ。」

(静乃の言おうとした言葉を、代わりに夏樹が口にした。)

キキッ



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