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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter93 『覚悟』 93-35
「それを失っても、夏樹は無事か?」
(金色の瞳が、怪しく光った。)
***
[「夏樹くんの、心臓に融合しているの。」]
(怒りを込め、踏み締め。 官邸へ向かう菖蒲の手にした通信機に。
届いた静乃からの報告は。 菖蒲を震撼させた。)
「なんですって・・?」
(そんなことを、想像したことすらなかった。 けれど、
もしそうであれば、夏樹と闇に関する現象を。 上手く説明できるような気がして。)
(菖蒲は、否定することができなかった。)
「千波さんはご無事ですか?」
[「ええ。 私がついているわ。」]
「・・お願いします。」
「本当に。 もっと・・、早く気づいていれば。」
「夏樹様は、研究所に行くことが、苦手で。 いつも避けていましたからね。」
(菖蒲は、こんな状況にありながら。 思わず、研究所を信じた悔しさに混じり、
込み上げる思いに、苦い気持ちで微笑んだ。)
(何かと理由をつけてサボる夏樹を。
健診に行くたび、結果が恐ろしくて。 自分で封筒を開けられない夏樹の代わりに、
自分が封を開けていたことを思い出したからだ。)
『・・夏樹様・・っ!』
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