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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-38


(菖蒲が封を切り、書類をめくる間。
夏樹は静かに、白い肌に頬杖をつき。
長椅子に座る自分の前に立つ。 背の高い菖蒲の、
黒縁眼鏡の奥の瞳が。 文字を追うのをじっと待った。)

「!」

(眼鏡の奥の瞳が大きく見開き。
たちまち笑顔になり、菖蒲は夏樹の顔を見た。)

「夏樹様!

snow dropに居ても良い事に、なっていますよ。」

(それを聞いて、夏樹は立ち上がり、菖蒲の隣で
書類に見入った。)

「・・ほんとだ。

どちらにしても、休まないとだめみたいだけど。」

「ああ〜っ、良かった・・!」

(夏樹はほっとして、両手で顔を覆った。)

***

***

「あれも、夏樹様のために、そうしてくださったのだと思っていました。」

***

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