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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter93 『覚悟』 93-40


(そして、右手に続く新緑の森。 一番奥、
夏樹の視線の先に、地球が丸く見える様に遠く、細く続く海岸線。)

サァァーッ

(潮の香りは、夏樹を元気づけた。)

「すぅっ・・。」

(夏樹は深く吸い込み。
目を閉じ。 息を整えた。)

(ガードレールに手を掛け。
立つ様子は、どこか何かを堪えている様に菖蒲には見えた。)

「うん。 よし、

そろそろ行こうか。」

(そう言って、紺色の瞳は笑った。)

「菖蒲。

いつ、この街を離れるか分からないけど。

出来るだけ長く。

この街に居られたら良いな。」

(菖蒲は頷いた。)

「そうですね。」

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