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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter95 『強く』 95-20


考えていた。)

「辞めるわけないって。 わかってるけどね。」

「男の子ってそう。 一度決めると、曲げないの。」

「駆なら、いくらでも送りだすんだけどな。」

(言いながら佐織は、開いた教室の後ろのドアに。 長身の、長い手を引っかけながら。
紫苑と夏樹が来ないかと。 廊下に身を乗り出している、大きな駆の背中を見た。)

「あっ、紫苑ちゃん。

来た来たっ。」

「どした? 大丈夫か?」

(駆が白い歯を見せ。 こんがりと日に焼けた顔でニッと笑ったので。
紫苑も表情を明るめ。 顔を上げ、うなずいた。)

「うん・・。」

(その時、駆の後ろに、現れた人影がある。)

トッ

(紫苑を含め、体育館へ向かおうと。 廊下へ出ていた数人の生徒たち。
そして、他のクラスの教室にいた生徒たちも。 なぜか、ふと感じた気配の異和感に。
そちらへ顔を向け。 また、女生徒たちは、浮き足立って。 身を乗り出した。)

「!/// 雨宮くんっ!」

「ほんとだっ! 久しぶりに見たっ///」

「きゃ〜っ/// かっこい・・っ///」



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