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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter95 『強く』 95-22


(佐織は、駆と相談し。 夏樹をなんとか遊びに誘いだせないかと計画していた。)

(けれど、FOTのためか、体調のためか、静乃もなかなか夏樹を離さないので、
佐織も心配していた。)

「やっとお許しが出たのねっ。 出かけるって、明日どこ行くの?」

(問いかけに、夏樹は自然に答えた。)

「昔の家に。 久しぶりに会いたい人がいるから。」

(隣で聞いていた駆は、なんでもない風にうなずいた。)

「おぅ。 親戚にでも会うか? 行ってこい、行ってこい。」

「(バカっ! FOTのでしょっ!)」

「・・、帰って来なかったら、どうするのよっ!」

(佐織は、紫苑のためにも引き止めたかった。 言葉少なに立っていた紫苑も、
何か言おうとした。)

「・・夏樹くんっ。」

「わたしも・・。」

(だが、紫苑はその先を言えなかった。 夏樹と一緒に行きたい。
その願いは、本当に。 紫苑自身の、願いだろうか?)

『「俺に・・っ! “鍵”の在り処の情報を・・っ! 持ってこい・・!」』

「ん?」

『・・っ!///』



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