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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter10 『接触』 10-11
「近いな。」
(白い手首にはめた、腕時計の計器を見て、夏樹は早足で歩いた。)
(文字盤には、いくつもの針。 時々点滅する、赤い光が
無数に映し出されている。)
『多い。 “闇化”しそうな欠片が、こんなにあるんだ・・。』
ザワザワザワッ
(夏樹は、一瞬立ち止まり。 辺りに渦巻く、人々の気配に耳を傾けた。)
『ここは結界の中だ。 もしもの時は、周りから遮断できる。』
『けど・・。 こんなに人が多くては、目撃を防ぐのは手が掛かりそうだ。』
「やっかいだな・・。」
「まずは、次に“闇化”するのが誰なのかを、突き止めないと。」
『発信機が、欠片の気配を掴み過ぎている。』
『だが・・。 この場所にいる。』
『間違いない。』
(夏樹はその中で、より強い“闇”の気配が。 近くに迫ることを感じていた。)
『どこだ・・。』
『“闇化”する瞬間に捕まえられれば、一番良い。』
『出来るだけ、その人の側にいたい。』
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