HOMENovel
Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter10 『接触』 10-14
(わずかな接触に、夏樹は女性に向かって、素早く振り返る。)
ガバッ
「わっ!」
(夏樹が女性の肩を捕まえる前に、夏樹自身が後ろから強く誰かに肩を掴まれた。)
「・・っ!」
「菖蒲っ!」
(夏樹の肩を強く引き寄せたのは、菖蒲だった。)
「はぁっ、夏樹様っ。 一人で勝手に行かないでください。」
「一緒に来てくれと言ったのは、夏樹様ではありませんか?」
(息の上がった菖蒲が、困った顔で夏樹の前に立っていた。)
『この・・っ!』
「今、分かりそうだったのに・・っ。」
(夏樹は、慌てて背の高い菖蒲を押しのけた。)
「え?」
プシューッ ブブーッ
(何かまずい事をしたと気づいた菖蒲の横を、小町通り前バス停留所から。
一台のバスが、走り出した。)
『接触』
Chapter10 End
Fragment of Time・・・時の欠片の道しるべ
『 Chapter11へ 』 『 前ページへ 』