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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter10 『接触』 10-6


(世話好きな佐織は、真剣に話を聞いていた。)

「任せて。 平気よ。 わたし男友達多いの。」

(佐織は、頼もしげに笑った。)

(2人は、二階に上がり、教室にやって来た。)

(2年A 組の前に来て、静乃は微笑んだ。)

「そうだわ、今日は席替えしましょ。」

「私も赴任したばかりだけど、転校生も来るしね。」

「やった。 良いわね、楽しみ!」

(佐織は両手をたたいた。)

ガララッ

「あっ、佐織ちゃん!」

(教室のドアが開き、勢いよく紫苑が出てきた。)

「んっ。」

(佐織は、飛び出してきた紫苑を抱きとめた。)

「紫苑、どうかした?」

(紫苑は、佐織の胸の辺りで、大きな茶色の瞳を瞬かせた。
軽やかな明るいベージュ色の髪に、長い睫毛が可愛らしい。)

「英語のノート見せて。」

「課題をやり忘れたのっ。」



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