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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-100


「・・はっ。」

(反対に、魔導師セナは目を開けた。 轟音が響く中。 自分が人々に施す、
守りの魔法の他に。 煌めく光がある。)

(激しく揺れ動く、床の上で。 崩れ落ちる天井から、人々を守りながら。
セナは、体勢を立て直し、光の出る源を、見極めようと目を凝らした。)

「・・ソラ。 何をしている・・?」

(セナは、恐ろしい予感に。 血の気が引くのを感じた。)

(揺れ動く視界の向こうで。 ソラの胸元が、輝き始めていた。)

「・・《我に力を》・・」

「エアリエル国に宿りし精霊よ。 我が前に、姿を現せ。」

ゴウンッ・・!

「“闇の魔導師”エアリエル・シェイド・ザキに、“魔法契約”を願う。」

【《闇の王》の名のもとに。】

【汝の願い、聞き届けた。】

(それは、一瞬の出来事だった。 魔導師セナは、止めることが出来ずに。
崩れ落ちる、瓦礫の向こうから、ソラの名を必死に呼んだ。)

『・・! ザキ・・っ!!』

「・・! ソラ・・っ! ならん・・っ!!」

「二度と・・っ、“光の魔力”を、宿せなくなるぞ・・! 王位を継げなくなる!」



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