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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter100 『涙』 100-99
(セナの施していた、光の魔法が。 かろうじて、大聖堂内に居る人々を
“闇”の波から守り。 騎士団たちの剣が、魔女を、王室の“光の樹”から
遠ざけている。)
「きゃああああ〜っ!!」
(人々の叫び声が響く。 大海とも思える黒い“闇”が、大聖堂を越え、
街へ、城へ。 流れ出した。)
「やめろ・・っ! やめてくれ〜〜・・っ!!」
(人々は震え上がり、大聖堂から流れ出た大波が。 国土に向かい、
襲い掛かるのを見た。)
「止めてっ! ・・まだ、花が咲いているんだよ・・っ!!」
(小さな子供たちを、胸に抱き。 あやしながら、叫んだミトの声が。
ソラに届いた。)
「・・・。」
(ソラは、心を静め。 意識を集中した。)
(小さく、唱え始めた。)
「・・《闇の力を秘めし鍵》よ・・。」
(ソラは右手をかざし、自分の胸にあてた。)
「・・失敗じゃ・・。」
「失敗した・・。」
「・・終わりじゃ・・。」
(砕け散る大聖堂の壁と、打ち寄せる大波に、甦った悪夢に、爺は灰色の瞳を閉じた。)
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