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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-103


(甦る思いを噛みしめ、現在のソラは、目を閉じた。)

(過去のソラは、強い力を、右手に握り締め。
全身の力を込めて、街へ流れ出る黒い大波に向け。 一撃を放った。)

「《闇の力を秘めし鍵》よ。」

「・・《我に力を》・・」

「《解き放て》・・!」

「《漆黒の壁》・・!!」

(自信など無かった。 ただ、止めたかった。)

(ソラは、誰かが、自分に力を貸してくれるのを感じた。)

ゴワッ・・!!

『届け・・っ!!』

「行け・・!!」

(輝く水色の魔法陣から放たれた魔法は、大波を越え、街の前に。
要塞となり、そびえた。)

キンッ ゴーーーーンッ!!

「止まれ・・っ!!」

「・・止まって・・っ!」

(人々は、恐ろしさに震え。 涙をこぼした。)

(“闇”の力は強く。 ソラの魔法は押され。 大聖堂に近い街並みは、
無残に、黒い波に押し流された。)



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