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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-104


「きゃああああ〜っ!!」

(ソラは、満身の力を込め、念じた。)

「止まれ・・!!」

キンッ・・ ドオオオオオーンッ

(魔法が一際強い、輝きを放ち。 黒い大波をせき止めた。)

「はぁ・・っ、はぁ・・っ。」

(ソラは、痺れる右手を抑え、大きく息をし。 かすむ前方を見た。)

「街が・・っ、・・くそっ・・!」

(祭りで華やかだった街の姿は。 一瞬で、失われていた。)

(けれど、ソラの魔法は。 街に咲く、聖なる光の樹の森の前で。
高くそびえ。 咲き誇る花々の寸前で、大波を打ち砕いた。)

「・・っ、花は無事だわっ!///」

「・・止まったの・・?」

(ミトは喜び、瓦礫の向こうの街へ、目を凝らした。)

(ペンダントを握り締め。 祈るミイは、城を指さし、
ソラへ叫んだ。)

「ソラ・・! 城へ・・。 “闇”が城へ向かったわ・・っ!」

(ソラははっとし、顔を上げた。)

「元を絶つつもりか・・! させるか・・!」



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