HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-110


「(ごぼ・・っ)」

(ソラの視界は、“闇”に飲まれ、落ちてゆく瓦礫と、黒い“闇”に
ソラの身体は見えなくなった。)

(つかの間、ソラは。 “闇の魔女”の心に触れた。)

ゴポポッ・・

【・・ルイ・・。】

【・・見つけた・・。】

【・・見つけた・・っ!】

(息が止まるほど、重くのしかかる“闇”の中、ソラは剣を握り締めた。)

「ああああっ!」

ザン・・ッ!!

(ソラは落下しながら、空中で襲い掛かる“闇”を剣でなぎ払った。
それでも止まらない。)

『呪いで、この世界を、自らを滅ぼしたかったんだろうか・・。

ただ、会いたかったんじゃないのか・・?』

『失った王に・・。

もう一度。』

(落ちてゆくソラの目に、瓦礫の向こう。 崩れる塔の、部屋が映った。)

(幼い頃から過ごした部屋は。 “闇”に飲まれ、砕けた。)



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