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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-111


「夏樹・・。」

(ソラは再び、剣を強く握り。 魔法を強く念じた。)

(魔女の思念が横切り、ソラに、その場所を示した。)

【ルイ・・。】

(ソラは、砂海に、“扉”が開くのを感じた。)

『叶わぬ強い想いは、恨みとなり襲い掛かった。

自らの正しい心を、失ってしまう程に。

その人を、愛していたんだろう。』

(黒い“闇”は、ソラを。 城を、街を押し流し。 それでも伸び上がり、
天高く、砂の海を目指していた。)

『押し寄せる、“闇”は、闇の魔女リザの、悲しみそのものだった。』

(黒い“闇”の中。 リザの声を聞いた。)

【殺したいと思ったのよ・・。

だって、彼を殺せば。

私は、ルイのところへ行ける・・。】

(正気を失ったリザの中に。 一欠片残る、本当の心だった。)

【なのに・・。

彼に良く似てた・・。

幼いころの、彼に。】



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