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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-112


【私が大切に、この国と共に育てて来た。

彼に。】

(“闇”の中、取り残される、リザの心は、泣き。)

(両手で、顔を覆った。)

【私の中に。 彼を愛する気持ちが、消えてしまう前に・・。】

【・・どうか・・。】

【私を、消して・・。】

(リザの声が、“闇”の中に響いた。)

ドオオオォォォォーンッ・・!!!

(“闇”に飲まれる、ソラの姿に、ミイは瓦礫の中。
塔を目指し、走り出した。)

「ソラ〜〜〜っ!!」

(“闇”の滴と瓦礫が落下する。 ミイは塔の真下に立ち、
頭上から落ちて来る巨大な“闇”とソラを見定め、叫んだ。)

リーン・・

(胸元に、魔石の飾りが光る。)

(“闇”の起こす轟音の中。 ミイの声が、ソラに届いた。)

「は・・っ!」

(ソラは、魔女の思念から離れ。 “闇”の中、目を開いた。)



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