HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter100 『涙』 100-120
「ソラ・・!!」
(見開くミイの瞳に、涙が弾けた。 明るい茶色の瞳に、水色の魔法陣が、
輝き映る。)
「《闇の力を秘めし鍵》」
(ミイは、魔法陣に手を伸ばした。 ソラが呼び出した魔法は、盾の様に。
ソラとミイを隔て。)
(ソラを異世界へ、運ぼうとしていた。)
「今なら、“闇”を追いかけて行ける。」
「この向こうに、異世界があるんだ。」
「そこに、“闇の王”がいる。」
「俺が必ず、見つける。」
(ミイは、行かせなければいけないと、分かっていた。
それなのに、涙が止まらなかった。)
「いやだ・・、ソラ・・・。」
(ソラは、魔法を唱えた。 二人の眼下には、“闇”が流れ出てゆく、砂漠の海と。
土煙と、轟音を響かせ。 崩れてゆく国土が広がっていた。)
「《解き放て》 《次元の翼・・!》」
ゴォッ・・! バサササッ・・!!
(ソラの背中の白い翼は、赤い翼となり。 大きく、羽根を開いた。)
(ミイは、二人を隔てる。 透明な壁に。 両手をあてた。)
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』