HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter100 『涙』 100-124
『空間通路の先を見つめ。 羽ばたいた。』
カッ・・!
ゴォォォォーッ
(二人を、光の柱が包んでいた。)
(崩れゆく、大聖堂の中。 人々は空を見上げた。)
「はっ。 “闇の魔女”が消えた・・っ!」
(騎士団の追いつめた剣の先に、魔女の姿は消えていた。)
(騎士団長カイは、舞い上がる黒煙と。 砂海へ流れ出た、“闇”を睨んだ。)
「行くか・・っ、ソラよ!!」
「“闇”を追って行け・・!!」
ゴオオオオーッ
(魔導師セナは、瓦礫の中、人々を守る魔法を施し。
力を注ぎ込み、倒れた女王サラを、抱きかかえ支えた。)
「サラ様・・。」
(サラは、大事ない意味を込め、微笑むと。 ゆっくりと深呼吸し、
セナの腕の中で。 かすむ瞳に、眩い光を感じて、手を伸ばした。)
「ソラは行ったのね。」
(サラの美しい指先の向こうに。 瓦礫の中で、咲き誇る花があった。)
「・・花は・・?」
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