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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-13


(紫苑は、自信なさ気に、肩をすくめた。)

「ん・・。 紫苑さま・・?」

(ピュアは、大きなクリーム色の瞳で。 皆の輪の中で微笑む、紫苑を見つめた。)

『・・この気配。』

(紫苑から流れ出る、わずかな気配に。 ピュアは緊張した。)

『・・。 夏樹さまのもの・・? 夏樹さまを包む“闇”の気配が・・。

強まっているのでしょうか・・。』

(先程まで側に居た、紫苑に。 その気配がまとわりついている様で。
ピュアはその正体を見破れなかった。)

(冷たく凍りつくような、夏樹の気配は。 真夏の太陽にも溶かせず。 夏樹の中に、
留まる力が。 静かに、辺りに流れ出していた。)

「ソラさま・・、ミイさま・・。」

(ピュアは不安を覚え、遠く、大海原で泳ぐ。 ソラとミイを見た。)

「ピュアちゃん、ソラとミイちゃん呼んで♪ スイカ割りしよっ。」

(佐織の声に、ピュアははっとし。 頷いた。)

「はいですv」

「ソラさま〜っ! ミイさま〜っ!///」

(波の向こうに、ピュアは叫び。 土の中に埋まった駆も、また叫んだ。)

「・・ちょっ。 ちょっ、春人先輩・・。 俺の頭の横に、スイカ置かないでください。」



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