HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-133


ゴボッ・・!

ゴボボッ・・

ザバッ・・!!

(ソラは長い間、海に潜っていたように感じ。
空気を思い切り吸い込み。 青い海面から身体を上げた。)

「(ごほっ) はぁ・・っ、はぁっ。」

「思い出した・・。」

「ははっ。 良い思い出ばかりじゃないか。」

(苦い想いが、ソラの胸の奥を掴み。 ソラは自分の胸に手を当てた。)

(塩辛い海水が、肌に痛く。 ソラは目を閉じた。)

「・・ソラ。」

(ミイは、記憶の海に溺れたソラに触れ。 自らも共に、記憶を旅した。)

「ミイ、思い出したよ。」

「エアリエル国を去った日のこと。」

「お前への誓いも。」

(波に濡れ、立つソラに。 ミイは微笑んだ。)

「ソラ、わたしは、見てたよ。

ずっと、見てた。」

「頑張ったよね。」



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