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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-134


(ミイの言葉に。 ソラは思い切り、ミイを抱きしめた。)

「俺は、王になれなかった。」

(言い、ソラは噛みしめ、微笑んだ。)

(遠く、砂浜から、呼ぶ声がする。)

「ソラ〜〜っ! ミイちゃ〜んっ!」

「そろそろあがろう。 キャンプに行くよ〜♪」

(佐織の声に、ソラは顔を上げた。)

(見上げれば、眩い太陽が照り付ける。 夏の午後だった。)

(現実に戻る感覚に、ソラは瞬き。 強い日差しに、濡れた髪を掻き上げ。
腰の高さに感じる、優しく冷たく寄せる波に。
目を細めた。)

「すっきりした。 行こうぜ、ミイ。」

(ミイも頷き。 可愛らしい透明な浮き輪を抱えると。 ソラと手を取り、
海岸に向かった。)

「うんっ!///」

(佐織は、ソラに声をかけた。)

「春人と一緒に、キャンプの準備お願いv カレー期待してるよっ!」

(佐織は、バンバンとソラの背中を打った。)

「ま・か・せ・ろ♪」



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