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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-137


『あいつを見つけて、俺は変わったんだ。

今度は、あいつを喜ばせる番じゃないか。』

(耳元で、声がソラに囁いた。)

【・・倒すべき相手だ・・。】

【・・殺すべき、相手だ・・。】

(水色の瞳が、強く光った。)

『違う・・!

俺の、大切な、友達だ。』

ザザーンッ・・

(砂浜を歩き近づく夏樹から、漂う気配は強く。 ミイは小さく肩を揺らした。)

『初め、あいつは、FOTのことも話せなかった。

今では、FOTと連携し。 俺たちは、“闇”に立ち向かおうとしている。

俺たちは、戦える。』

『必ず、こいつを。

大切な人たちと。 この世界を守る。』

(輝くソラの水色の瞳の前に。 深い紺色の瞳が揺れ。 透き通る白い肌が、
真夏と思えない、冷たく鋭い気配を発していた。)

「ずいぶん遠くまで、泳いで来たんだね。

お腹減った?」



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