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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-146


「FOTが、夏っちゃんの自由を奪ってるって、思ってるんだよ〜・・。」

「・・それに〜・・、あの人〜・・、聖くんとそりが合わなくて〜・・。」

「聖くんに〜・・、殺されかけたでしょ〜・・。」

「・・つまり〜・・、二人とも〜・・、愛情のもつれだね〜・・。」

「・・。 ぐぅ・・。」

(話しながら、自分の声に眠りかける白に、静乃は声をかけた。)

[「白くん、寝ないで。」]

(白ははっとして、うつろな顔を上げた。)

「はっ・・、寝てた〜・・?」

「ふわぁ〜ぁ。 こんなに危なくちゃ〜・・、街を離れられないや〜・・。」

「里帰り中の艶ちゃんに〜・・、会いに行こうと思ったんだけどな〜・・。」

(思い出し、静乃が、艶からの伝言を、白に再生した。)

[「白くん、艶ちゃんから伝言よ。」]

ジジッ

[「《白っ。 任務中に寝るでないぞっ!》《わらわは翡翠の家で、元気にしておる。》」]

[「《兄様も、街に残ると聞かぬからのぅ。 わらわが翡翠家を守る。

晃兄様を頼むぞ。》」]

「くすくすくすっ。 ほ〜い・・。」

***



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