HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-153


「うん。」

(二人は微笑み、芝生の上から立ち上がった。)

『ふと、考えていた。』

(目の前には、美しく海の向こうに、沈み行く夕日。)

『何か手がかりはないのか?

紫苑さんのアパート。

Snow dropの僕の部屋に。』

『桜を描いた、油絵がある。』

(夏樹は、紫苑と並び歩き。 美しい夕日の中、自分が取り残される
感覚を覚えた。)

「あの絵に書かれていた、名前。」

「ソラが言っていた、昔、エアリエル国を捨てたという人と。」

「同じだ・・。」

(紫苑は、夏樹を見上げた。)

「え・・?」

(夏樹の表情を見て、紫苑の胸は高鳴った。)

「・・あれは、桜だったのかな?」

「・・それとも、ソラの国にある花かもしれない。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ