HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-158


「いや・・。」

(深い紺色の瞳は、きらきらと揺れた。)

『ひととき。

息もできぬほどの美しさを見せて。

風に、消えてしまうように。

風が・・、散らしてしまう・・。』

『すべてを・・。

奪ってしまう・・。』

(夏樹の中に、浮かぶイメージが消えなかった。)

(夏樹は、イメージを打ち消そうと。 目の前にいる皆に意識を集中させようと、
両腕を抱え、目を伏せた。)

(夏樹の視線が、皆から外れたのを見て、佐織ははっとし。
女性陣に、小声で声をかけた。)

「(みんなっ、今のうちに準備をっv)」

「(お〜っ♪///)」

(夏樹は、気づかず。 想いにふけっていた。)

(違うと思いながらも、湧き上がるイメージが、声が。 夏樹に聞こえた。)

『「君を苦しめる。 君を、悲しませる。

出来ない・・。」』



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ