HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-162


(千波は、花束を胸に抱きしめた。)

『失った人は、戻らないの。』

『それでも、』

『思い出を心に宿しながら。』

(可愛らしい時計に目をやった。)

「・・もう少しで時間ね。」

『人は生き・・。』

『そして、迷ってもまた。』

『新しい誰かと、出会うのよ。』

(問いかけに、皆がうなずいた。)

「「うん!」」

***

「・・・。」

(夏樹は街に渦巻く、気配を受け止め、顔を上げた。)

「FOTが配置につき、街全体を警戒している。」

「・・こんなのは、初めてだ。」

「“闇化”が止まっているのに。 何かを待っている様で・・。」

(女の子たちの姿が見えない間に。 夏樹は、自分が感じている現状を話した。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ