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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-163


「聖は、FOTを離れるだろう。」

「それが、何を意味し。 何が起こるのか。 僕にもわからない。」

「ただ、皆に危険が待っていることは、確かだ。」

(夏樹は、強い紺色の瞳で。 男性陣を見た。)

「国や、ほかの能力者が。 “鍵”を狙うだろう。」

「僕は出来るだけ、“鍵”の力を抑えたい。」

『ここに居たいと。 願うことさえ、許されないと、

わかっていた。』

『皆といると。 胸の奥で。 “鍵”がざわめく。』

『取り返しのつかないことになると、

僕は、知っていたんだ。』

(夏樹は、皆と一緒に居たい想いとの狭間にいつもいた。)

『なら、どうしてここに居る。』

***

(聖に代わり、FOTを指揮する晃の姿がよぎった。)

「“闇化”は再び、必ず起こる。」

「剛が、国から得た情報は確かだ。」

(晃は、切れ長の瞳を煌めかせ。 鋭く、前を見た。)



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