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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-169


『あ・・。』

「ああ・・。」

(夏樹は驚き、言葉にならなかった。)

(街のことが気になり、そんなことは忘れていた。)

(しばらく放心したあと、夏樹は黒い腕時計を見た。)

『・・そうか。 8月1日だ。』

(FOTが創り出した特別な時計は。 真夜中の12時を回ったことを示し。
その日を迎えていた。)

「・・・っ。」

(同時に、文字盤には。 潜在的に、“闇化”の可能性を秘めた“時の欠片”たちが。
無数存在していることを。 赤い点滅となり、夏樹に示していた。)

「おめでとう、夏樹!」

(ソラは、真っすぐな瞳で夏樹を見つめ。 大きな花束を、差し出した。)

(目の覚める青い花々。 鮮やかな緑に彩られる夏の花束は、
夏樹のイメージにぴったりで。 印象的だった。)

(香る華やかな花。 ケーキに点る灯りに、夏樹の瞳はにじんだ。)

「千波ちゃんには、わたしからね///」

「おめでとう、千波ちゃん!」

(ミイは、千波に、内緒で用意していた。 ひまわりの花束を手渡した。)

「!/// わたしにもっ? ありがとう!」



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