HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-175


(ソラは、はっとした。)

「あの異国の能力者にも、それを望む理由がある。」

「ソラの国を救うためにも。」

(夏樹の言葉に、ソラは見つめ返した。)

「お前はそう思ってるのか?

誰かに思われてるかじゃなくて、

お前もそう思うのか?」

(夏樹は、ふと立ち止まり、思い返した。)

「努力したって、報われねーかもしれねー。

お前が、消えることを望む奴もいる。

お前を恨んでる奴も。」

(ソラは、思いを巡らせる深い紺色の瞳を、真剣に見つめた。)

「けど、それはお前に限ってのことじゃねー。

俺だってそうだぜ。

元老院の奴らには、ほんと、俺は消えてほしいと思われてる。」

「むしろ、正統な王であるお前の復活を。 望んでるんだ。

あ〜、あれだ。 俺の言われようなんて、散々だぜ。 なー。」

「お前は、ここにいることを望まれてる。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ