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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-176


「望まれてるから、ここにいるんだ。」

(ソラは、自分の大切さに気付かない夏樹に、歯がゆかった。)

「誰かを不幸にする? 恨まれてるか?

だからなんだよ。 俺はお前を望んでる。」

「ここにいてほしいと思ってる。」

「それじゃだめか? 闇の鍵を守る理由にならねーか?」

「皆、お前にいてほしいんだよ。 夏樹。

これは、俺らみんなの気持ちだ。」

(そんなつもりはなかったのに。 二人はいつの間にか
言い合っていた。)

「そうだぜ、夏樹。」

(駆も、身を乗り出した。)

「お前には、風があるだろ。

俺らなんかにしちゃ、そんなお前がうらやましい。」

「それが、お前を苦しめてるんだってことは、わかる。

けど。 それは、普通の奴らが、どんなに頑張っても、

手に入らねー。 出来ねーことなんだって、忘れてる。」

「もっと、自分の力に感謝してもいいだろ。」



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