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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-177


「駆・・。」

(意外な、駆の言葉に、夏樹は瞬いた。)

「鍵は、魔女が隠し持っていたわけじゃなかった。

あれは、粒樹自身だ。

どんな想いでお前を守ったか。」

(ソラの言葉に、夏樹は、歯をくいしばった。)

「わかってる。」

「わかってねー!」

(ソラは、震える手で、贈り物を抱きしめる紫苑の想いを、
夏樹にわかってほしかった。)

「“闇”だの“呪い”だの、

それがお前に、かかっていようと。

お前とそれは別物だ。」

「消えなきゃいけねーのは、お前じゃねぇ。

はき違えんなよ。」

(ソラは、夏樹を睨んだ。)

「欠片を必要としている人たちがいる。

彩さんの気持ちは、間違っていない。」

「僕は、猶予を与えられているだけだと、



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