HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-179


「どこ行くのよっ!」

(誕生日のサプライズは、パーティーは。 失敗したのだと、
佐織には分かった。)

(皆が望んだ、二人の幸せな姿は、そこに無かった。)

「何なのよ・・。

あはっ・・。」

「さっきまで・・、あんなに良い雰囲気だったじゃない・・。」

「何が・・、だめなのよ・・。

信じられない・・、これだから男って。」

(夏樹を追いかけようとする菖蒲を。 千波は引き止めた。)

「・・夏樹様・・。」

(菖蒲は、腕を引かれ。 千波に振り返った。)

「少し、そっとしておいてあげて。」

(菖蒲は、後ろ髪引かれる思いで、頷いた。)

「・・、はい。」

(静かな夜。 夏の虫の声。 星空の下。 輝く小さなランプたち。)

「ばか・・、雨宮・・っ。

・・; 泣かないで・・、紫苑。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ